cafelier のSRM参加記録です。コンテスト中に考えてたことを執拗に全部書き残すとどうなるだろうかという試み本番中にこういうコードが書きたかったなあ、という後で書いた反省コードを書き残す試み
スパムが来たのでしばらくコメント欄をはてなユーザ限定にしています、すみません、
SRM427 の成績・ソース (要ログイン) : AC/AC/AC : はじめて全完できた。嬉しい
250 開く
- 『自転周期 D 時間・公転周期 Y 時間の惑星で、うるう年(普通の年より日数が1多い年)を適宜入れてうまくつじつまをあわせると、最小で何年周期でうるう年パターンが一周するようになりますか』
- 問題はすぐ読めた
- Y/2 < D < Y の時って一体どういうことになるんだろうか?などとそんな惑星に暮らした気分になって混乱したりする
- 混乱が収まらないので式で書いてみることにした
- 周期内で、普通の年が n 回、うるう年が m 回、普通の年の日数が x 日、うるう年の日数が x+1 日とする
- D*x*n + D*(x+1)*m == Y*(n+m)
- 式変形: D*x*(n+m) + D*m == Y*(n+m)
- これを満たす n+m の最小値を求めればOK
- 式によると、Y*(n+m) は D の倍数だなー。そりゃそうか
- とすると Y*(n+m) は少なくとも lcm(Y, D) か。
- とりあえず考えるの面倒だから lcm(Y, D) / Y == D / gcd(Y, D) を返すプログラム書いてみた
- サンプル全部通った
- めんどくさいからsubmitしちゃえ
600 開く
- digという関数が定義されてる。10進表示で全桁の和をとる関数だ。(※ これは勘違いだったことはあとで判明)
- 『初期位置 (0,0) から北にdig(1)歩、東にdig(M)歩、南にdig(M^2)歩、西にdig(M^3)歩、以下繰り返し……で K 回くりかえした後どこにいるか求めましょう』という問題
- Kが最大10億なのでストレートに実装すると絶対死ぬね。高速ベキ乗に落とせるか、どっかで必ずループに入るのか…
- 並べ替えると 北にdig(1)+dig(M^4)+dig(M^8)+...歩、東にdig(M^1)+dig(M^5)+...歩、だなあ。等比数列?和の公式??
- M=2 や 3 の場合の最初の方の値を手計算してみる。ダメだ。全然規則的な数列に見えない
600があまりにもわからないので250まで不安になってきた
- 再考
- n+mをさっきの値に固定したとき、n or m と x を動かしてちゃんと D*x*(n+m) + D*m == Y*(n+m) にできるだろうか?
- 左辺は D*(x*(n+m) + m) だから x*(n+m) + m を調整して lcm(Y,D)/D にできればいい。
- これは、lcm(Y,D)/D を n+m で割った商と余りを x と m にすればいい。常に可能。よし合ってる
600 に戻る
- 相変わらず全くわからない。
- 600 ってことは普段の 500 より難しいわけで、ここはむしろ捨てて普段の 1000 より簡単なはずの 900 に向かうべきではないか
- 悩む
- うむむ
- よく見たら dig は全桁の和をとる作業を『1桁になるまで繰り返す』関数じゃないか
- 改めて M=2 や 3 の場合を手計算。なんと dig(M^k) の数列は思いっきりループしている!
- でも何故ループするのか全くわからない
- しかし a,b<=1000 で実験してみると、どうも dig(a*b) == dig(dig(a)*b) が成り立っているようだ
- これが成り立つならループする。dig(n) の値は10通りしかないし、上の等式が成り立つならdig(M^k+1)は直前の値dig(M^k)にのみ依存するので。
- これはもう、よくわからないけどループするものとしてコード書くしかない!
- ループ部分全体でまとめてどっちに何歩進むか求めておけば、K 回で進む分は掛け算一発で求まるので速い
- ループ長さは高々10なので、ループ1回で進む距離や余りの部分は、普通にfor文回して足し算しておーけー。
- サンプル通った。submit。
900 開く
- 『整数のリスト S と自然数 p が与えられる。隣り合う要素の差がpの倍数に決してならないような並べ替え方は何通りあるか』
- 第一感ではなにも思いつかない
- とりあえず「隣り合っていいよ関係」を辺にしてグラフなど描いてみるか
- このグラフで言うと、問題はハミルトンパスの総数だ
- はい無理
- て、書いてみて気づいた。p|(a-b) で p|(b-c) なら p|(a-c) だから、「隣り合ってはいけません関係」なら同値関係だねそういえば
- てことは同値類の要素どうしを区別する意味はあんまりない
- ...p+k...2p+k... という配置が可能なら常に ...2p+k...p+k... という配置も可能なので。どれでも似たようなもの
- ……
- ……
- 解けた!
- まずpで割ったあまりで入力リストの要素を同値類分解する
- それぞれの同値類の要素数を X[0], ..., X[p-1] とする
- それぞれの同値類内部の並べ替え方は、X[0]! * X[1]! * ... * X[p-1]! と階乗で求まる
- 同じ同値類の元を同一視する場合、全体の並べ方は要するに、『赤色ボールが X[0] 個、青色ボールが X[1] 個、…、紫色ボールが X[p-1] 個、あります。同じ色のボールが隣り合わない並べ方は?』ってな問題と同じことだ。
- 解けた!といいながらこの部分問題の解き方思いついてない
- うまい式で計算できるかな?思いつかない。ま、メモ化探索で間に合うでしょ多分。それで解けなきゃこの問題絶対解けないよ
- メモ化探索書く
- 個数リストが {X[0], X[1], ..., X[p-1]} の場合の並べ方は、一番左にどの色のボールを使うかで場合分けして、{X[0]-1, X[1], ..., X[p-1]} の並べ方 + {X[0], X[1]-1, ..., X[p-1]} + ... みたいな再帰…だと思ってそのまま実装
- サンプル通らないよー
- 隣り合っちゃいけないって条件どこでも加味してないじゃん
- 慌てて、引数を「個数リスト{X[0], X[1], ..., X[p-1]} と次に置いちゃいけない色 f のペア」に変えて再帰
- サンプル通った!
- 最悪ケースの状態数ってどんなもんかな。
- 真ん中辺りがやばそうだから同値類の元の数が 5+5+5+5+5+5 の時とか。
- この場合状態数は 6^7 だから行けるような気がする。submit!
時間まだある
- 落ち着いて、最悪ケースの状態数もっと真剣に考えておこう
- 2+2+...+2 だと 3^15*15 になるぞ。pair<vector<int>,int> がメモ化のキーとかですごい遅いから、これはヤバイ
- そのケース {0,2,3,...,29}, p=15 を動かしてみた。帰ってこない。これはやばい。直さねば
- (※あとで思ったんですが 1+1+...+1 で 2^30*30 の方がもっとまずいですかね)
- やっぱり賢い数式あるんじゃない?
- 全部でM個のうちX[0]の置き方は M_C_X[0] 通り。残りM-X[0]個からX[1]の置き方は (M-X[0])_C_(X[1]) 通り。……って掛け算していくだけでよいのでは。mod があるときの Combination の計算が一見面倒そうだけどたぶん long long におさまる範囲。
- 書いた。サンプル合わないよー
- って、隣り合うの禁止って条件また忘れてた!!!!
- 賢い式は無理だ。なんとかしてメモ化再帰を高速化すべし
- つまり状態数を減らす。実は同じ答えを返す状態がないか。あったら融合させる。
- あ、{1,1,2},f=2 と {1,2,1},f=1 って状態、意味的には同じだよね。ボールの個数だけが問題で順番はどうでもいい。
- てことは個数リストは常にsortしておけばオーケー!
- 実装
- さっきの最悪ケース({0,1,2,3,...,29}, p=15)も一瞬で終わった!
- おおざっぱに楽観的に考えてsortしたら状態数 1/p! くらいに減ってくれるだろうから 3^15*15 をそのくらい割ればいくら何でも大丈夫だろうと期待
- 時間ももうないし、resubmit!
撃墜タイム
- 嬉々として {0,1,2,3,...,29}, p=15 を打ち込む準備をしてました。sort してない人がいたら即叩き込む!
- 600点問題で、digを毎回とらずにdig(M^k)のためのM^kをそのまま計算してる人がいらっしゃる
- M≦1000なので、ループ長7以上あったらlong longあふれるんでは?と思って手元でそういうMを探す
- ない
- どうも6以内に必ずおさまるらしい。へー
- でも同じ人のコード、ループが途中からはじまるケースを考慮してないような…
- と考えてデータを用意してるうちに先を越されて撃墜されてしまった
感想
- dig(n) って n%9 (ただし余り0の場合は9) なんですね!確かに1も10も100も9で割った余りは1だから、全部1の位に落としたところで9で割ったあまりは変わらない。なので一桁になるまで繰り返すと、まさに9で割った余りが出てくる。
- これなら掛け算や足し算と可換性があるから、なるほど dig(a*b) == dig(dig(a)*b) が成り立つわけだ…
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